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2016年2月9日火曜日

和布刈神事




















ぬり松の 「和布刈(めかり)」シリーズは、北九州市門司区
にある和布刈神社の「和布刈神事」にインスパイアされて
制作しています。

昨年、「和布刈」のタイトルで第4回そば猪口アート公募展
入選したので、御礼とご報告のため、和布刈神事へでかけてまいりました。



和布刈神事とは、ワカメの新芽を刈り取って神前に供する儀式で、
山口県の住吉神社、島根県出雲市の日御碕神社でも行われます。

古代人は、繁殖力の強い植物に霊力を感じ、とりわけ
元旦の新芽は、その力が最強になると考えました。
正月七日に七草粥をいただくのも、そういった植物の力を
取り込む行為なのです。


昨日、2月8日は旧暦の元旦。新月で大潮です。
和布刈神社は、早鞆の瀬戸とも言われる関門海峡に面しています。

0時に福岡市を出ました。途中、古賀で休憩を入れて
神社に着いたのは2時前です。

着いたとたんに奉納神楽が終わってしまい、
残念。














神事が始まる2時半まで、たき火にあたって待ちます。
海峡の水流は激しく、ざぁざぁと音を立てています。

2時半になると、神主さんがたき火(忌火)を清めます。

神事を行う神職が拝殿で清められ、
「桶」「鎌」「松明」を受け取ります。




忌火で松明に着火すると、社殿の前の石段を降りて
海に入ります。

目の前をぱちぱちハゼながら通過する松明。
ご神職はキリリと緊張しています。


気温は2℃くらいでしょうか。
風は思ったほど冷たくありませんが、
足袋にわらじで海水に浸かるのは厳しいですね!

毎年参拝していそうな方が
「今年はワカメが少ないね」とおっしゃっていました。
松明で真っ黒な海面を照らしながら、
鎌でワカメを刈ります。

20分ほどでしょうか?和布刈が行われます。

対岸には下関の明かりが見えます。
途中、海峡を船が通行し、
神社の真上を通る関門海峡大橋が、
どぉーん、と妙な音を響かせます。

現代と古代の景色がコラージュされた、不思議な光景です。

動画や画像で和布刈神事を見て感動し、
黒い海に散る火の粉と水面の透明感を
表現した「和布刈塗り」ですが、

  漆という古代のテクノロジーと、
  ぬり松、の現在進行形技法。

現代と古代のコラージュ。
という思わぬ符号を見出しました。



最後に報道関係者向けの撮影があり、照明が点灯。


ワカメが入った桶を神前にお供えして、神事終了です。

到着後も参拝しましたが、
神事によってご祭神が生まれ変わったような気持ちになりますので、
再度参拝。

社務所では、「直會のわかめ」を領布しています。


こちら、夕食の鍋料理に入れていただいたところ、
超美味でした!


和布刈神事は毎年行われます
見学者は20名ほどでしょうか。
そんなに混雑せずよい具合です。
自動車は神社入り口付近に駐車していました。
防寒対策バッチリでおでかけください!