鹿児島県に行ってきました。
鹿児島県姶良市には「漆」という地名があります。
鹿児島県姶良市には「漆」という地名があります。
まずは、姶良市立歴史民俗資料館へ。
ここへ寄ったのは、南九州特有の石造道祖神
「田の神様」を見学するのが目的でしたが、
「田の神様」を見学するのが目的でしたが、
館内には郷土資料がたくさん!
宝探しのように読み漁りました。
宝探しのように読み漁りました。
『鹿児島県の地名』という本の「漆村」という項目に
漆地名の由来が詳しく書かれていました。
それによると、漆には、かつて漆畠があり、
寛政12(1800)年の頃は「漆田村」と呼ばれていたそうです。
砂金がとれたため、嘉永年間に三年間だけですが、
鹿児島藩の大良金山として操業したとか。
受付のおじさんにも漆について尋ねてみましたが、
郷土誌に精通されている方で、本に書かれていたようなことを
すべてご存じでした。
やはり、地元の方の間でも、
「昔はウルシノキが植わっていた」と
言われているそうです。
漆への道順も丁寧に教えてくださいました。
おじさんから教えられたとおり、
「えっ、こんなところ車で通れるの?」と、
ドキドキはらはらの細い山道を往きます。
対向車が来たら離合できるのだろうか?
※離合(りごう)
最近、方言だと知りました (^^;
車同士が行違うことです
「…と恐る恐る走るうちに、
パッと開けて田んぼが広がるよ!」
これまたおじさんの予言通りの展開。
まずは、漆小学校を訪ねます。
日曜日で人気のない学校。
美しい木造の体育館や昭和のままの風景に
懐かしくて胸キュンです。
漆郵便局もあるぞ!
なんだか嬉しくなる、漆ワールド♪
田の神様も鎮座。
現地で薪を割っていたおじさんにも
漆地名について聞いてみましたが、やはり、
「昔ウルシノキが生えていたと聞いた」
とのこと。
その漆で何を作ったかはわからずじまいですが、
郷土史の本では、近隣の地域に
刀工、鉄砲鍛冶、馬を飼う牧などの
記述が見られるので、
あくまでも憶測ですが、
武器や兵器に塗るために植栽されていた
のかもしれません。
漆は甲冑の塗料として使いますし、
刀の鞘も漆塗りです。
金属の錆止めにも漆が塗られていました。
秋田県の川連塗りは、
軍需産業として漆塗りをしていたものが、
江戸時代に生活漆器へ転換したものです。
ともあれ、
現在の漆地区はなんとのどかなことでしょう。
帰りたくないエネルギーが満ちる場所です。
後ろ髪ひかれつつ、
「またいつか」
と、田の神様に約束して
漆を後にしました。